石原元知事の謝罪文の意味

あの強気な石原元知事が発言迷走の末に謝罪文を出した。これはリングにタオルを投げたに等しい。
今までの石原さんには考えられない自分が厚化粧女と呼んだ小池知事に対する屈辱的な謝罪に違いない。何が彼をここまで追い込んだのか、
その意味するところには非常に興味がある。

私にはまさに数々の武勲を上げた連合艦隊のレイテ沖の反転に匹敵する行為に見える。
危険で古い、狭い築地移転のための豊洲の新市場建設に関しては何ら問題はなく、むしろ豊洲移転をより積極的に早く進めるべき立場に思えるが、悲しいかなそこまで素晴らしい新市場を作ったという技術が理解できなかったのは惜しい。
というより、度を越した不安がそれを上回ったと見るべきなのだろう。

その彼の心の不安を推測する。
一つ目の理由はなんといってもオリンピックを誘致した張本人としてオリンピック誘致にケチがつくことだろう。
スキャンダルなどで国際問題にでもなれば、彼のプライドは大いに傷つく。また日本国としてそんなことになったら彼の今までの思想から見て死に値するような話である。中国から笑われるようなことだからだ。
なぜその心配があるかというと先に述べた利権にかかわる金銭問題の表面化ということになる。それだけはなんとしても阻止したい、それが謝罪文だろう。
よく彼が発言していたFIFAIOCは欧米白人どもが作り上げた国際的搾取組織だ!ということから相当の金額をIOCに踏んだくられたのではないか。また貢がなければオリンピックが来なかったことも事実であろう。

二つ目はやはり息子(石原伸晃)の将来、政治家として自分が果たせなかった夢を息子に果たさせたいというのは人情としてはよく分かる。まして大した政治的才能もない息子が、自分のやったことが原因で失脚したら浮かばれまい。政治資金もそれほど裕福とは思えず、せっかく作り上げた東京都での利権構造を台無しにされたくはないだろう。都議会のドンに託した息子の将来のために何とか現状を維持したい、そういう気持ちからかもしれない。

しかし、小出陣営の出馬には小泉元首相の陰も噂されていた。小泉進次郎という次の次の総理を狙う候補が同じように息子にいる小泉元総理も引けないだろう。
しかし親掛かりの時代なんですなあ(^^

念のために、どうしてこんなことを2回にわたって書いたかというと、最近の世相の風潮ともいえる”安全・安心”に漂う負のスパイラルをもっとも憂うるからである。