豊洲新市場騒動に思う

今回の騒動で国民には多くの疑問が生じている。それもマスコミが扇動する形で。
私も不思議だなあと思うことがあるので書き残してみたい。

まず、マスコミ報道のあり方が一番ですかね。
これは一言でいうとマスコミの体質なのでしょうが、専門的な突込みや足で稼ぐような記事は全くなく、同じような単純論調劇場型である。内容が建設工事に関する技術的基礎知識に関しては無知としか言いようがない。
特にNHKがひどいが、大した取材も検証もなしにムードで既知の事実記事を垂れ流している点である。戦前の体質もかくあったのだろうと思わせる。問題でないことを問題化し、真の問題点を覆い隠す、そういう結果をもたらす。
盛り土をしないで地下空間があったことを、さも都が虚偽をやったかのような報道、ここにきて土壌汚染が問題であるかのような報道など、以下に述べるようにあまりにも的外れで実に無知、無責任の不思議な報道である。

そもそも2メートルの既存土の撤去をやった段階で汚染土壌は除去されたと見るべきである。
土壌試験を行う場合、土壌採取はボーリングで柱状の筒で地下深くまでサンプルを採って、どの深さまで汚染されているかを調べるからで、その結果専門委員会は2メートル(安全を見て)の深さまで土壌を撤去することにしたはずである。
つまり2メートルの掘削をした後、残った土は安全という結論でなければ専門家の名が泣く。何故ならば、海の近くで大きな地震などがあった場合、液状化などで危険な物質は表面にまで上がってくることが予想されるからである。決して4,5メートルの盛り土で汚染土を押さえつけることはできないからだ。
共産党が勢いづいて地下水の汚染を探そうとしても何も出てこないのは当たり前の話であり、あの真剣さが滑稽ですらある。

結果残り4,5メートルの盛り土がされたわけであるが、これはあくまで汚染対策というより津波等で市場が影響を受けないための嵩上げだったとみるべきだ。膨大な盛り土の供給圧力があり、、そこに需要喚起があったと見る。
通常鉄筋コンクリートの建物を建てる場合、埋め立て地であることからかなりの深度まで基礎杭が打たれ、地下をある程度掘削するので地下に空調室など建物管理施設を置くのは構造上当然のことである。
まして予測不可能な土壌汚染が想定される場合、地下空間は既存土壌との分断で建物の(階上部分)安全性を高める役割を果たし、決してことが悪化したわけではなく、技術的に改善していると見るべきなのだから。
問題でもないことをあえて問題にする、そこに何かがある、あったと見るほかはない。

むしろここで問題になるのは、建物を建てるときどうせ地下掘削をするんだからそこには盛り土はしないで工事を進めたのかどうか、つまり盛り土してまたそこを掘るという無駄な工事をしなかったかどうか。
さらに言えば、掘削した汚染土壌はどこに行ったのか、そんなに危険な土壌だったら当然追跡調査されてよいが、どうして問題になっていないのか。

膨大な盛り土した土はどこの土で、いくらの価格で入れたのか。
もし、建設工事で利権が発生したとすれば、交通局や建設局と異なる産業経済局の新市場整備部というあんまり建設工事に馴染のない部局が発注した設計書に過大積算(説明はつくが他工事とコラボすれば安くなる)がなかったかどうか。建設残土の行場は問題が多い。

特にあのはっきりものを言う石原元知事の発言がブレる原因があるとすれば、この盛り土工事に伴う利権がオリンピック誘致の領収書なしの金に化けた、そう疑って取材すべきなのだ。
そこに都議会のドンが絡めば、そのおぜん立てをされてしまった石原知事がドンにはなにも言えなかった理由がはっきりする。
都議会の自民議員のドンに対する驚くべき忠誠の裏には、この利権に伴う大きな選挙資金が隠されている、そう小池知事陣営が嗅ぎ付けたのではないか。
私は土壌汚染に関する情報が極めて少なく、石原知事がコンクリートポックス案を出したがすぐに盛り土案になったこと、いな4,5メートル残土処分のために針小棒大に作られた土壌汚染だったのではないか(最もその後専門バカの学者を制御できなくなったようだけど)。大きな土量を処理し利権を生み出す打ち出の小づちにしたのではないか、そう疑っている。土壌汚染対策費とは単に2メートルの汚染されたと言われる土を撤去しただけなのに860億円は大きすぎる。

多分今回の騒動も豊洲市場が環境基準上問題がない!ということで落ち着くだろうが、裏ではすさまじい権力闘争の果てに利権構造の行使者が小池陣営に移るということだろう。そうなると石原伸晃の総理の芽は名実共になくなるということになる。