福島原発事故

 地震から1週間、被災地は寒さの中でガソリンや灯油の欠乏から悲惨なことになってしまっている。
通常地震の場合は2,3日間の我慢が出来れば救援が必ず届くと言われてきたが、これほど大規模になると運搬手段である道路も港湾も空港も破壊されているのでまずはその復旧からとなると少なくとも1週間以上が必要となるようだ。新しい震災マニュアルに生かされなければならない。
 
同時に引き起こされた福島相馬の原子力発電所の被災は、これも東日本大地震と同じように未曾有の大事故となる可能性が残っている。
最初は1号炉の水素爆発、建屋破壊から始まった異常だが、その被災事故の根は深くいろいろなことが露出してきている。
米ソは早くもかの国の原発事故以上の事故として見ており、今後とも予断を許さない状況となっている。
第一原発のうち稼働していた1号機、3号機の水素爆発による建屋破壊、2号機の炉心注水部の破損に続き、休止中の燃料棒の置き場となっていた4号機にも火災が2度発生している。
事故発生から1週間、隣接する休止中の5,6号機はもちろんこうした事故の拡大から第二原発も万全とは言えず、処置を誤れば大事故に発展する状況になってしまっている。
最悪のシナリオは炉心の溶解から原子炉が臨界に達して核融合が再発することで有ろう。
そうなると10基の原子炉がすべて誘爆する可能性が有り、相馬に10個の原子爆弾が投下されたことになってしまう。
 
 今日は3号機の使用済み核燃料プールの冷却をめぐって、自衛隊警察庁の消防車による直接放水が行われた。恐らくすでにプールの水がないか極端に少なく、燃料棒の配列も壊れるぐらい破損しているのであろう。
最初は自衛隊によるヘリによる空中からの投水が計画され4回ほど実行されたが、放射線の照射が激しく命中率が低く危険と言う理由ですぐに中止された。
それに代って警察庁のデモ対策用の放水車が使われたが、目標に達せず中止。
最後に自衛隊の特殊車5台によって30トンの放水が行われ、これは成功したとみられるが、あくまでこれは使用済み核燃料のプール対策の放水で有って、肝心の原子炉に対応したモノではない。
 
しかし、この成功によって3,4号機の4階に設置されていたプール内の使用済み核燃料からの放射線流出は防止できたと思われるが、まだ今の段階ではその成果、と言うより放射性物質の露出が如何なものかの結論はない。
特に上空に置いて自衛隊が確認した放射線の強さの原因がなんなのかという現状分析が必要で、今後の対策にも非常に大事な情報だろうと思う。
 
今、一方では新たな送電線の設置が急がれており、それが1,2,3号機、および休止中の4,5,6号機の冷却システムを回復させてくれれば、大きな山を越えることになるが、
しかし、まだまだ予断を許さない状況だと思う。
日々刻々、状況は変化すると思われるので最善の努力と適切な情報公開を関係者にはお願いしたい。
また現在の関係者の努力を多としたい。
 
ただ、何が起ころうとも国民はうろたえる必要はない。
いろいろなことが有るのが人生だ。
 
PS 
18日午後、スリーマイル島並の事故レベル5に引き上げられた